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3×3で東京五輪へ。39歳で現役復帰を決意した元日本代表・渡邉拓馬の覚悟Vol.2〜バスケ普及にかける想い〜

3人制バスケットボール「3x3」のプロリーグ『3x3.EXE PREMIER』の2018年シーズンが6月9日に開幕した。この競技は2020年に開催される東京五輪の新種目にも採用されており、より一層注目度が高まっているスポーツのひとつだ。本番まであと2年と迫っている中、39歳で大舞台への挑戦を表明している選手がいる。かつて日本代表としても活躍した名シューター、渡邉拓馬だ。2015-2016シーズンを最後にユニホームを脱いでいたが、再びコートに戻ることを決め、新天地でのチャレンジを続けている。今年で40歳を迎える中、なぜ復帰を決意したのか。そして15年プレーした5人制ではなく、なぜ3人制を第2の競技人生に選んだのだろうか。インタビュー第2回となる今回は、現役復帰を決めた理由と、東京五輪に挑戦する中で抱く様々な想いを伺った。

ไอคอน 1482131451808Sato หลัก | 2018/06/10
<インタビューVol.1はこちら>

ー渡邉さんはプレイヤーとして現役復帰し、6月9日に開幕した3x3のプロリーグ『3x3.EXE PREMIER』にチャレンジされています。まず、現役復帰を決めるまでの経緯を教えてください。

渡邉:昨年の10月にアルバルク東京が、3人制バスケチーム「立川ダイス」と地域活性化を目指して相互協定を締結したことがきっかけとしてあります。

ーどういった流れで提携を結んだのですか?

渡邉:アルバルク東京は「国立代々木第二体育館」がホームアリーナだったんですけど、昨年の7月からオリンピック関連による耐震改修工事に入ることになったので、都内で使えるアリーナを探していたんですね。

その時にたまたま見つかったのが、立川市の「アリーナ立川立飛」でした。

せっかく立川でプレーさせていただくことになったので、より集客できるように立川市と協力し、さらに地域を盛り上げようということになったんです。

立川にあるプロチームが3人制の立川ダイスだったので、「同じバスケチームで何かやりましょう」という話になり、提携を結ぶことになりました。

その流れで「アルバルク東京の選手が、オフシーズンに3x3に参加してくれたらいいですね」という話が出たんですね。ですが、万が一怪我をしてしまう可能性を考えると、選手にそういう機会を与えるのは難しいなと思ったんです。

そう考えた時に、出られるとしたら僕しかいないんじゃないかと。

ーでも引退して、1年間ブランクがありますよね…?

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渡邉:確かに選手としてはプレーしていませんでしたが、それまでスクールコーチとして子供たちにバスケを教えていたんですね。

バスケから完全に離れたわけではなかったので、今ならまだ間に合うかなと思ったんです。

それに、5人制と3人制の両方を選手として経験することで、もっとバスケの普及に貢献できるんじゃないかと考えました。

例えば、僕が3x3に挑戦することによって、アルバルク東京のファンが「渡邉さんがいるから観に行ってみよう」って3人制バスケに興味を持ってくれたり、逆に立川ダイスのファンがアルバルク東京の試合を観に来てくれたり。

そういう相乗効果が生まれたら、両方のチームが盛り上がり、そしてバスケ界のさらなる活性化が期待できます。

また、3×3という狭い空間でプレーするスタイルを幼い頃から身につければ、そこで習得したフットワークや技術が必ず5人制に活きてくる。今後もコーチ業を続けていくうえで、3×3で試合をしている自分を子供たちに見せることは必要なことだとも思うんです。

そう考えたら、この挑戦にネガティブな要素は1つもないですし、これこそがバスケ界のために自分が今できることなんじゃないかと。

ー素晴らしいですね!!渡邉さんの挑戦はバスケの普及だけではなく、日本バスケ界の底上げにもつながる気がします。

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渡邉:そのきっかけになるような活躍ができるよう頑張りたいですね。ただ、やるからには本気で臨まないと意味がないと思っています。

ただ参加するだけという中途半端な気持ちでプレーしてしまったら、3×3に命を懸けている選手たちに対して申し訳ないですから。

なので、ちょうど2020年の東京五輪から3×3が正式競技種目として採用されたということもあり、五輪の代表入りを目標に掲げたんです。

ー渡邉さんが東京五輪への挑戦を公言することで、3×3は五輪種目としてさらに注目が集まると思います。

渡邉:ありがとうございます。

それと、立川ダイスとは地域活性化を目指して提携を結んだのですが、その活動を推進する共同プロジェクトとして『ADVANCE~Lead to all~』が2月にスタートしたんです。

バスケを通じて子供からお年寄りの方々、家族を対象にした活動をしていくことで、人の温かさや思いやり、常に前進することの大切さ、そして協調性の重要さを伝えていくことを目的としています。

僕が3×3に参加することによって、子供たちや同年代の方々に、勇気を持ってチャレンジすることの大切さを伝えていけたらと思っているんです。

それに加えて、このプロジェクトでは『HANDS TO HANDS』というアフリカの子供たちへの支援活動も実施しているんですね。

これは、ファンの方々に不要なシューズや衣類の寄付、そしてアフリカに郵送する費用を募金していただいて、世界中のバスケファンをサポートするという活動です。

3×3へのチャレンジを続けていくと同時に、こういった様々なプロジェクトも随時進めていきたいと考えています。

ー日本だけではなく、世界中のバスケを中心としたスポーツの普及や振興にも尽力されているんですね。ここまでお話を聞いて、渡邉さんのバスケに対する想いは非常に強いなと感じるのですが、実際39歳という年齢で現役に復帰するというのは、かなりの不安があったのではないでしょうか…。

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渡邉:確かに不安はありましたね。家族の許可も得ないといけませんし、この年齢なので怪我に対する不安が大きいというのもありました。それに、現役に復帰しても成功する保証なんてどこにもありません。

ただ、そんな不安の中で僕に勇気を与えてくれたのが、これから挑戦しようとしている世界の3×3プレイヤーでした。

3×3の強豪国には、40歳前後で現役として活躍している選手がたくさんいるんですね。それを知ったことで、「だったら僕でもできるんじゃないか」と一歩踏み出す勇気を持つことができたんです。

もし不安を拭いきれずに、もう1年現役に復帰する期間を伸ばしていたら、もう選手としてプレーできる体には戻せなかったでしょうね(笑)

ーさすがに1年だけでは、東京五輪に間に合わせるのは難しいですもんね。

渡邉:そうですね。どちらにしても年齢との戦いは避けられないので、今は40歳前後で活躍しているいろんなスポーツ選手の本や動画を見て研究しているんですよ。

トレーニングメニューを変えたり、食事制限をしてみたりと、今の自分に合ったやり方を模索しています。

現役中とは違うことにチャレンジし、それを身をもって知ることで、息の長い選手を目指す下の世代にその経験を伝えることもできますから。なので「40歳を超えてもパフォーマンスを発揮できるんだ」っていうところを示していきたいですね。

今はこういったチャレンジをしていくことがモチベーションとしてあるので、燃え尽きてバスケのボールも触りたくなかった1年半前と比べたら、今は全く違う自分がいると思いますよ。




文・写真/佐藤主祥

取材協力/アルバルク東京、立川ダイス


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